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銀河を流れる水

 

(お父さん、水は夜でも流れるのですか)とお尋ねです。

須利那さまは砂漠の向ふから昇って来たおおきな青い星を眺めながらお答えなされます。

(水は夜でも流れるよ。水は夜でも昼でも、平らな所ででさえなかったら、いつ迄もいつ迄も流れるのだ。) 

                        「雁の童子」より

 

  あまの川

あまのがわ

 岸の小砂利も見いえるぞ。

底のすなごも見いえるぞ。

 いつまで見ても、

 見えないものは、水ばかり。

                         生前発表童謡「あまの川」より

 

 満天の星空の下 ふと流れる水の音をきいた童子の問いからはじまる場面です。

「水は夜でも流れるのか」と一見なんでもないような問いですが、まるで水が意志を持っているようにも生きもののようにも思えて不思議な気持ちになります。あたりまえにおもっていたことがほんとうはどうなんだろうという気持ちが浮かんできます。

それから須利那さまの「水は平らな所でさえなかったら、いつ迄もいつ迄もながれるのだ。」という答えは、どこまでも進化を続ける宇宙根源の意志が含まれているのようです。

けれども賢治さんは、生前発表童謡「あまの川」では、水は見えないと歌っています。

岸の小砂利も底のすなごも見えるのになぜ水は見えないのでしょう。水はないのでしょうか。いいえ、あります。水は透明だから。あると思っても私が一人で思っているだけ?

リラ自然音楽の「種山ケ原」のピアノの伴奏は、銀河を流れる水の音がします。

賢治さんは「雁の童子」と「あまの川」で、あまの川の水は見えないけれど流れていることを、「見えないけどあるんだよ」ということをいってくれているようにも思うのです。

(これは山波言太郎氏の詩「二つの世界」の中の言葉でもあります。)

 

                                 風志野はるか

 

 

 

| 風志野はるか | 22:25 | comments(0) | - | pookmark |
映画情報 「愁いの王―宮澤賢治―」 

タイトル
「愁いの王―宮澤賢治―」  (3時間18分) 
  第一部 業の花びら (約85分)
  第二部 装景者 (約113分)
 
  監督 吉田重滿 (グリザイユ)
 
 当映画のサイト
  http://grisaille-c.com/

 

  愁いの王 ー宮沢賢治ー

 

 

 

 昨年(2017年)12月、グリザイユの吉田重滿様より未公開の映画作品「愁いの王・宮澤賢治−第一部『業の花びら』」のDVDが送られてきて、吉田監督のご好意でDVDを鑑賞させていただきました。早速12月23日、第一部をでくのぼう宮沢賢治の会のメンバーで鑑賞しました。また第二部も今年3月25日同じように吉田監督のご好意により、でくのぼう会のメンバーで鑑賞させていただきました。


 2月山波財団では「サムライ平和」11号が発売され、賢治先生と愛弟子菊池信一さんの「特別企画 花巻・石鳥谷紀行」もあり送らせていただきましたが、『愁いの王―宮澤賢治― 第二部 装景者』にはちょうど菊池信一さんのシーンがあり、共時性を感じました。そのメンバーたちの感想もメールで送らせていただきました。
 その後、吉田さんより私たちが映画についてブログで語ることに快諾をいただきましたので、その内容をご紹介致します。

 

 

「愁いの王・宮澤賢治− 第一部『業の花びら』」 感想 (2017年12月23日)

 


(会員 かりんさん)

こんにちは
でくのぼう宮沢賢治の会のかりんです。
先日は御作品「愁いの王・宮澤賢治−第一部『業の花びら』」をお送り下さいまして誠に有難うございました。
12月23日私共の定例会があり、急遽そこで皆で観せていただきました。
上映するだけでほとんど時間がなく、皆の感想を聞けず、お伝えできず申し訳ありません。
私の感想をひとこと書かせていただいます。
 
すばらしい作品でした。
観た直後より時間が経って、どんどん印象が強くなるような不思議な体験をしました。
最初は一般受けはしないだろう等、表面的な感じ方でしたが、
しばらく経つと私の中で、言葉にならないところで作品が強く深く生き(息)づいていることが分かりました。
映像がとても重厚で深みがありよかったです。
まるで思想(いのち)を含んでいるような重厚さです。
映像とことば(方言)のひびきと音楽とが一体感がありました。
字幕がずっとあり安心して作品にひたれました。
 
妹トシが重要なテーマでしたが、それがよかったです。
宮沢賢治をよく読み研究されて、正確に丁寧に作品化なさっているのがよく分かりました。
御作品はたしかに難しいところがあり、おっしゃるように一般受けはしないかもしれませんが、
とても力のある良い作品ですから、必ずわかる人にはわかると思います。
賢治先生もきっと喜んでおられるはずです。
公開にさきがけて観せていただきまことに有難うございました。
多くの方に観ていただけることを、祈念いたしております。
 

 

(会員 草薙さん)
風景風景の一瞬一瞬が、切り取られた大切な思い出を写した古い写真のような、魂の記憶に触れそうな、映像美。
それが、映像として万化しながら流れているという贅沢な映画でした。
法華経に関する若き日の賢治の思想やその激しさは、あまりクローズアップされることがないですが、
確かにそうだった(書簡など)と、吉田監督独特の深み、作品の魅力ではないかと印象に残りました。

 

 

 


「愁いの王・宮澤賢治− 第二部 『装景者』」 感想 (2018年3月25日)

 

(会員 橘香さん)
前編よりも後編の方がずっと良くなっていました。前より締まりが出た感じです。
全体を通して、方言がとても味わい深かったです。
合わせて、全編字幕をつけてあったので安心して観られました。
賢治のいう「心象」を意識した映像づくりだったのでしょうか。
花びらが降ってくる映像も印象的でした。
内容として一番印象的だったのは、賢治と政次郎とのやり取りです。 後編では特に、政次郎の賢治に対する愛情が感じられて涙腺緩みました。 一般的にはどうしても親子の宗教対立が目立って語られますが、父政次郎の我が子賢治への愛と理解は、やはり確実にあったなあと改めて感じます。
賢治が教え子の菊地さんを見送る場面も素朴に良かったです。
父と母に対してそれぞれ違う言葉で語った賢治の童話への思いを、賢治臨終の場面で対比させたことで、賢治作品の姿がより明確に浮かび上がりました。 また、普通なら賢治が死を迎えたら周囲の人のその後くらいで話が終わりそうなところを、伊藤チヱさんと森佐一さんのやり取りを入れ込んだのは新鮮でしたし、より賢治の実像を伝える要素となっていました。
ところで、「エス」が2回出てきましたが、あの演出にはどのような意味を込められたのでしょうか?
賢治の作品・伝記を少しかじる者として、おぼろげな推測をしてみるのですが、不思議さは残ります。
賢治のことを全く知らない人や、賢治とキリスト教の関わりについて知らない人が観たら、どのように受け取るのだろうと個人的には気になりました。
味のある映画でした。
先立って拝見させていただき、ありがとうございました。

 

 

(会員 tenさん)

愁いの王の第二部を拝見する機会をいただき、ありがとうございました。
DVDプレイヤーをプロジェクターにつなげて大きく投影し、
音声も、アンプを経由して教室の天井にあるスピーカーから大きく出して拝見しました。(前半の時も同様でした)
 
よりシャープな編集に引き込まれ、2時間があっという間に過ぎました。
全編を通して、美しい映像や光が印象に残りましたが、
特に冒頭の森さんを初めて訪ねるシーンや、
お経を配る手配をしている時の政次郎さんのセリフに感動しました。
会話のギミックも、自然な印象でした。
花巻弁がとても素晴らしかったですし、標準語字幕も安心できました。
残された史実やエピソードに寄り添ったかたちで映像化されていて
賢治に詳しい方々にはたまらない内容だったと思います。
岩手の自然の風景もさることながら、
歴史的な建築物や、古い建物でのロケセットもすばらしかったです。
第一部の時もそうだったのですが、拝見してからしばらく、
日常の中で、映像の印象がたびたび蘇ってきました。
配給先が見つかり、もっとたくさんの方々がこの作品を観ることが出来るよう
心より願っています。
いち早く拝見させていただきまして、本当にありがとうございました。

 


(会員 ヒームカさん)

  2部も自然の風景がとても美しかったです。賢治さんを演じられている方が、賢治さんそのもののように思えてきましたし、演じられている方々の自然な動作が内容によく合っていると思いました。1場面1場面深くとても感動しました。長い年月をかけて制作された貴重な映画を観せて頂きありがとうございました。

 

 

(会員 ポラーノさん)

第一部「業の花びら」に続き、第二部「装景者」を鑑賞させていただきありがとうございました。
宮沢賢治の人生を、飾ることなく丁寧に誠実に描かれていて、最後まで引きこまれながら観ました。
モノトーンの映画ですが、岩手県の美しい自然、風景がとても美しく、心の内に色彩が浮き出されてくるように感じられました。演技を感じさせない静かな動きとテロップで映し出されるセリフが印象的で、自然と映画のリズムにのせられているようでした。また方言がやさしくリアリティを感じました。約2時間の上映時間を長く感じることもなく、映画の世界に入っていきました。
宮沢賢治臨終の場面、大島での伊藤ちえさんの場面、などでは涙が流れてきました。
芸術的で貴重な映像を創っていただき本当にありがとうございます。心ある多くの一般の方々、宮沢賢治研究者、愛好者等々に鑑賞していただくことを心より願っています。

 

*****感想はここまで*****

 

 

 

吉田さんより届いたあたたかい御礼のお便りの中に、第二部の橘香さんの感想についての返信がありましたので一部を掲載します。

 

  ****

 

P.S 書棚にあった田口昭典氏の『宮沢賢治と法華経について』の本の表紙に書かれている

 

 根本中堂 ねがはくは 妙法如来 正遍知 大師のみ旨 成らしめたまへ

                      宮沢賢治

 

を見ていました。よく見ると貴社の出版・発行でした。この本はシナリオを書く際、参考にした本です。
橘香さんのご感想文の中で、「エス」の事が書かれていました。あの人物は実在 の人物で、 流浪の楽人「菊池タケシゲ」ですが、賢治は彼を気に入って羅須地人協会に一週間ほ ど泊めたそうです。 実際はあのような恰好はしていたかわかりませんが、あのシーンで使ったバッハの曲 『来れ、甘き死よ』と 賢治の詩とイエス・キリスト的なイメージが一体と成って描きましたが、説明し出す と長々とかかるかもしれません(笑)

 

  ****

 

(おわり)

| ポラーノ@管理人 | 09:09 | comments(0) | - | pookmark |
本のご紹介

JUGEMテーマ:読書

 

書評「屋根の上が好きな兄と私」 宮沢賢治妹・岩田シゲ回想録

 

著者 岩田シゲほか

栗原 敦 監修

宮澤明裕 編

 

蒼丘書林、2017年12月20日

 


 

 いい本でした。宮沢賢治が、小さい頃、いつもお父さんに叱られていたこと、シゲさんは妹なのに、賢治が叱られないように、いつも心配する気持ちの優しさが、とてもよかったです。

 

 栗原先生が、言葉に簡潔な注釈をつけて下さっているのが、透き通るような青いシゲさんの文章に、深い濃い紺色の色合いを加えるような具合で、賢治のその日の心と姿がありありと見えるようでした。

 

 賢治童話の下敷きになるような体験だったんだろうなという思い出もでてきて、童話の場面も浮かびます、賢治ファンにはたまらない一冊だと思います。

 

 158回芥川賞をとられた若竹千佐子さんの作品「おらおらでひとりいぐも」。タイトルの言葉は、賢治の妹トシさんの言葉ですし、直木賞に決まった門井慶喜さんの「銀河鉄道の父」は、賢治の父、政次郎さんの視点で描かれた作品です。

 

 この賢治の妹シゲさんの視点で書かれた、賢治とその家族の群像であるこの本は、A5判78頁の薄めの本で、何かの賞をとるものではないと思いますが、とにかく優しくあたたかくて、家族を包む母イチさんの優しさと共に、その息遣いまでも感じる、なんども読みたくなるような、本でした。

 

でたばかりの本のネタをばらしてはいけませんが、「人の難儀をよそごとに済ませない兄の性格を父は非常に心配しているのでした。」の一文、姉のトシさんが「寮で、何か催物があって、余興でおばあさん役の人に『宮沢さんの着物貸して』と言われるんだと姉は苦笑いしていました。」の一文が、心に残りました。これだけでも、私の書評(拙い感想)よりも、この本の魅力がわかると思います。

 

シゲさん、栗原先生、宮澤明裕さん、本当にありがとう。

 

(草薙)

 

 

 

| 草薙建 | 19:28 | comments(1) | - | pookmark |
2018年 元旦

 

明けましておめでとうございます

 

世界がぜんたい幸福にならないうちは個人の幸福はあり得ない

                   宮沢賢治

 

賢治先生の心を生きたい。

今年もよろしくお願いいたします

 

 

            平成30年1月1日

       でくのぼう宮沢賢治の会 代表

               熊谷えり子

 

 

 

元旦熊谷えり子

 

| ポラーノ@管理人 | 05:53 | comments(1) | - | pookmark |
「『福田パン』と『マント』のこと」佐藤成 (『サムライ・平和9号』所収)を読んで

 

〈読後感〉

 

続、続、我がつれ・づれ考(賢治の教師愛)

「『福田パン』と『マント』のこと」佐藤成

『サムライ・平和10号』所収)

 

 あの盛岡のソウルフードと呼ばれる「福田パン」(コッペパン)の創業者、福田留吉さんが、あの宮沢賢治の最初の教え子で、賢治の教師時代を調べるうちに何度もお名前を目にしていた及川(旧姓)留吉さんだったことにも驚きました。その福田留吉さんや、「賢治先生の家」に保存されている「賢治のマント」を賢治にもらった簡悟さんから直接佐藤先生が聞いた裏話。(おそらく、どの賢治研究書にもない貴重な話)に、とても心打たれました。

 ただ、ただ、心がジーンとゆっくり温まってくる感じで、宮沢賢治のいう「でくのぼう」、そういうものに私もなれたらと、心が生き返る思いがしました。

 

 宮沢賢治は、本当に優しい人だったんだなあと、つくづく思います。

 

 

 宮沢賢治の魅力は、哲学者・科学者などなど、様々な分野の最先端を行く専門家をもうならせ、惹きつける作品(童話・心象スケッチ等)の霊性の深さにあります。

 しかし、それに留まらず、実際に賢治と触れ合った人たちが残した証言からこぼれる、賢治の人柄にもまた、感動を覚えます。

 それは、賢治が偽りなく真実に生きた証です。

 

 佐藤成先生の記事を読ませていただき、佐藤先生が直接ご本人から聞いた話の調子から、賢治が生徒一人一人のことを、本当にその将来までも考えて、接していたことを知りました。その人の特性、能力、家庭環境迄も知り、相手方の状況を調査した上で、自分の時間を使い、私費を費やして努力して就職先を世話していたにも関わらず、「その片鱗もお顔に表しませんでした」とのこと。

 福田さんの赴任(高等農林学校の助手)に際しては、そのあとも困らないように丁寧に教示をし、心から喜んでくれたそうです。

 賢治は、どんな小さな魂でも決して侮辱したり軽蔑したりしなかったそうで、福田さんは子供心にその仕事場の風景を写真で送ったところ、その返信が、あの有名な「ジャンパーを着て足を組み、手を組み合わせて握っている賢治の写真」だったそうです。教科書によく出てくるその写真一枚にも、賢治のそんな優しさが込められていたことなど、知る由もありませんでした。 

 

 また、「賢治先生の家」として、羅須地人協会の建物が保存されている中にある展示物として佐藤先生が「賢治のマント」を収めたときに聞いた、エピソードにもただただ、感動しました。簡さんを連れ出し、黙って一緒に歩いた後に、マントをかけて、そのフード付きのマントをあげた賢治の気持ち、そしてそれを、大事に大事にしまっておいた簡さんの気持ちが痛いほど伝わってきます。

 

 言葉のはしばしからこぼれる思い出の景色に、たくさんの感動が詰まっています。

 ぜひ皆さんも一読下さい。

 

 

〈ご参考までに、私が勝手に見つけたブログ記事↓〉

 

魅惑的な福田パンの記事

 

https://travel-noted.jp/posts/718

 

「賢治先生の家」探訪の素敵な美しい写真ブログより

「賢治のマント」

 

http://sendaina.exblog.jp/17617342/

 

 

 

 

 

 

| 草薙建 | 15:51 | comments(2) | - | pookmark |
4月の記事はありません

 

 

光る雲と青い空

| ポラーノ@管理人 | 18:22 | comments(0) | - | pookmark |
明けましておめでとうございます

 

今年もどうぞよろしくお願いいたします

 

宮沢賢治の心(作品)がさらにもっと どんどん どんどん どんどん ・・・・・・・・

私たちみんなにしみとおっていって

地球が愛の星になりますように。

 

 

           2017年1月1日

 

               でくのぼう宮沢賢治の会

                    熊谷えり子

 

 

 

薔薇

 

 

C: PHOTO K.Y

| かりん | 09:32 | comments(1) | - | pookmark |
12月は記事がありません

 

冬の海

日が沈む海

| ポラーノ@管理人 | 18:29 | comments(0) | - | pookmark |
2016,9,19賢治祭

 

9月19日(月・祝)に、毎年恒例 「賢治祭」(生誕120年) を開催しました。

ご報告が遅れて申しわけありませんが、当日の模様をご報告致します。

詳しくは、山波言太郎総合文化財団HPブログ記事をご覧下さい。

 

 

 

プログラム
プログラムの表紙です。

 

皆で歌う

第1部(前半)「みんなで歌いましょう」コーナー

 

手紙

第1部(後半)「賢治さんへの手紙」コーナー

宮沢賢治さんへのそれぞれ(7人)の思いを綴った手紙を朗読。

 

でくのぼう会

第2部「銀河鉄道は、新しい世界へ」

でくのぼう宮沢賢治の会

 

雨ニモマケズ

最後に「雨ニモマケズ」をみなで群読しました。

 

以上です。

 

 

でくのぼう宮沢賢治の会

 

 

| ポラーノ@管理人 | 16:53 | comments(0) | - | pookmark |
10月は記事がありません

 

オリジナルの人形たち

 

過去の出し物です。指人形劇。

これはなんの童話かな? わかりますよね。undefined

| ポラーノ@管理人 | 18:40 | comments(0) | - | pookmark |
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