昨年9月に鎌倉・山波財団にて開催された、宮沢賢治祭2023(主催:でくのぼう宮沢賢治の会)での「ポラーノの広場」感想文です。
第一回はO・Tさんです。
賢治祭 第二部 ポラーノの広場 感想
長へん輪読会の回を重ねるにつれ、レオーノキューストさんを賢治さんと重ねあわせながら読み進めていました。顕在意識では置かれた時代で懸命にでくのぼうになろうとして生きた賢治さんですが、より深いレベルでは、まるで、地球や宇宙の歴史を俯瞰しているような歴史学者、語り部、透徹した観察者、そして山波先生に教えていただいたとおり、変革者であると改めて思いました。
最初の鉛筆稿は昭和2年〜3年にかけて成立しているそうですが、このころの賢治さんは、花巻農学校を退職し、下根子桜で独居、開墾生活をしながら農民に対し肥料設計をし、羅須地人協会を始めています。いくら農民のために献身しても、やっぱり俺ではだめなのかなあ、と自身の心情を吐露する「境内」という詩があるように、そう簡単には農民になれなかった、農民からは受け入れられなかった、農村の変革には手が届かない、なりたい自分に追い付いていない、でくのぼうになれていない、顕在意識では修羅を生きていたのかもしれません。だから、物語の中のレオーノキューストさんは、ファゼーロたちに溶け込んで、共に生きていく選択をしなかったのかもしれない、と思いました。
ところで、「六、風と草穂」における、レオーノキューストさんから村の子どもたちへ伝えられたメッセージは、最終稿では大幅に改変され、外されています。それはもしかすると、より深いレベルでは、この物語は後世の人に託された物語であり、作品が成立してのち、どの時代の人達であっても、無数の人が決意して、無限につくろうとしていく広場がポラーノの広場だから、その普遍性ゆえに改変され、またポラーノの広場は完成を見ずに、物語が終わっているのかもしれないと思いました。
はるか昔から、地上天国をつくるための計画と預言の系譜があるそうです。アクエリアス時代のとば口に置かれた私たちにとって、「ポラーノの広場をつくろうとすること」とは、先人に続いて、「キリスト原理、ネオ・スピリチュアリズムが浸透した世界をつくろうとすること」。それと同義なのではないかと、思い至りました。
ファゼーロたちが酒を飲んだコップを清冽な水で何度も洗い、新しい水を汲んで飲む、このシーンに幽体浄化という、新しい世界のつくりかたが示されているような気がして、だとしたらそれを象徴として受け取りつつ、みんなでそれができるように、今日できることをしてまいります。(O・T)
JUGEMテーマ:デクノボー宮沢賢治について
子どもが通っていた小学校で、毎週水曜日、絵本の読み聞かせボランティアをしています。私は、全学年で、当会のヒームカさんが作成してくださった、宮沢賢治の「気のいい火山弾」と「いちょうの実」の紙芝居を交互に読んでいます。
先日、一年生のクラスで、「いちょうの実」の紙芝居を読んだ後、一人の女の子が、「とっても感動しました。子どもたちが旅立ってしまって、お母さんの木がかわいそう。」と涙ぐみながら感想を話してくれると、隣の席の女の子も、一緒に泣き出してしまいました。あまりに素直な感想に、一瞬言葉を失いました。子どもたちの純粋な心に、賢治さんの物語がまっすぐに届いているんだなあと思うと、何とも言えず幸せな気持ちになりました。
これからも、賢治さんが残してくれた「すきとおったほんとうのたべもの」を、せっせと、子どもたちにお届けできたらいいなと思っています。
(マルメロ)
絵 ヒームカ
明けましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いいたします。
みんなでポラーノの広場を探しましょう。
ポラーノの広場のうた
宮沢賢治
つめくさ灯ともす夜のひろば
むかしのラルゴをうたひかはし
雲をもどよもし夜風にわすれて
とりいれまぢかに年ようれぬ
まさしきねがひにいさかふとも
銀河のかたなにともにわらひ
なべてのなやみをたきぎともしつゝ
はえある世界をともにつくらん
令和5年 元旦
でくのぼう宮沢賢治の会
熊谷えり子
JUGEMテーマ:デクノボー宮沢賢治について
今年も当ブログを訪問いただき、ありがとうございました。
2023年が平和な年になりますよう願っています。
どうぞよろしくお願いいたします。
でくのぼう宮沢賢治の会
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車から降りると突然「ゴトーン」と大きな音が響いてきます。また「ゴトーン」と。
えっ何の音だろうと思っていると、どこからか「ザァー」という水の音。「あっ唐臼だー」と思わず声を上げて走って行くと、
唐臼が「ザァー ゴトーン ザァー ゴトーン」と音を立てていました。すると、あちらこちらからも聞こえてきます。
この山里は窯元がそれぞれの唐臼を持っているそうです。一基のところもあれば三其のところもあり、大きいのやら小さめのやらそれ
ぞれの音がハーモニーになって、昼間のシーンとした山里に「ザァー ゴトーン ザァー ゴトーン」という唐臼の音が心に響いてきま
した。店に並んでいる器も今日も静かにこの音を聞いているのでしょう。
ヒームカ(文・写真)
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明けましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いいたします。
令和4年 元旦
まづもろともにかがやく宇宙の微塵となりて無方の空にちらばらう
──宮沢賢治
でくのぼう宮沢賢治の会
熊谷えり子
JUGEMテーマ:デクノボー宮沢賢治について
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賢治祭まで残すところ1ヶ月をきりました。(どきどき💦)
賢治さんのお祭りに合わせて、
山波言太郎生誕100年を記念した展示を、
先週からスタートしました。
山波財団の2階に展示しています。
鎌倉にお越しの際は、
ぜひぜひご覧ください。
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JUGEMテーマ:展覧会の告知をしよう!
明けましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いいたします。
デクノボー目指し、みんなで歩いていきます。
世界がぜんたい幸福にならないうちは個人の幸福はあり得ない
──宮沢賢治
でくのぼう宮沢賢治の会
熊谷えり子
(写真撮影 K・Y)
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逗子の海(撮影K・Y)
今年もブログを訪問いただき、また投稿していただきありがとうございました。
2020年は大きな変化が始まりそうな目まぐるしい一年だったように感じます。
来る年が、すべての方々にとって心に希望が芽生える年でありますよう願っています。
2021年もどうぞよろしくお願いいたします。
でくのぼう宮沢賢治の会
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