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自然と共に・・ 『紫紺染について』を読んで。

 

渡さんのイラスト

 

「賢治はその辺に生えている草、そして土の性質、傾斜、日照の方向などをよく観察して、キノコの生えるところと、生えないところを、かぎわけるようにして知ってしまう。「大詩人」はキノコとりの名人でもあったのだ。」(『ふれあいの人々 宮沢賢治』森荘已池 著)
と伝えられています。

山で、きのこに出会う機会が少なくなってしまった私ですが、色んな形をしたきのこが大好きです。
賢治さんの作品の中にも色々な種類のきのこたちが登場します。
童話『紫紺染について』にも登場しています。

 

「あなたはふだんどんなものをおあがりになりますか。」
 「さやう。栗の実やわらびや野菜です。」
 「野菜はあなたがおつくりになるのですか。」
 「お日さまがおつくりになるのです。」
 「どんなものですか。」
 「さやう。みづ、ほうな、しどけ、うど、そのほか、しめじ、きんたけなどです。」

 と山男が答える場面です。

 山男はきのこなどの自然からの恵みのものを食べているのだと思いました。
ずーっと昔から自然と共生してきた山男は自然界からの恵みを頂いている事を常に感じて生きている。その純粋な心が伝わってくる言葉です。


 山波言太郎先生は、
自然と共に暮らしなさい
自然を愛しなさい
自然から教えて貰いなさい

 とおっしゃっています。

 

                      ヒームカ(絵と文)

 

 

JUGEMテーマ:デクノボー宮沢賢治について

 

| ヒームカ | 21:00 | comments(0) | - | pookmark |
虔十公園林の感想(ひとこと)

 

虔十公園林を久しぶりに読みました。

虔十を囲むお父さんやおかあさん、お兄さんが本当にやさしいなあ、

と心からほろりとしました。

 

花

写真:K・Y

 

 

他にも感動したところはいっぱいあるのですが

ほんとにひと言ですみません。

 

 

 

| ポラーノ@管理人 | 12:18 | comments(0) | - | pookmark |
カイロ団長 宮沢賢治を読む会

JUGEMテーマ:日記・一般

 

昨日、山波財団の講座「宮沢賢治を読む会」でとりあげられた作品は「カイロ団長」でした。

長い作品なので、輪読で45分くらいかかり、その後感想を出し合うというスタイルでした。

熊谷さんが「藤根禁酒会へ贈る」の中で、賢治さんが「酒は一つのひびである」いっていたことや、いきなり大きなお金が入ってお酒を呑んでだめになった人がいるというのを賢治さんは知っていたということをお話されました。

すぐカイロ団長(異稿)の一文を思い出しました。

とのさまがえるが改心して明日から仕立て屋をやりますといい、あまがえるがよろこんで手をパチパチたたいたあとです。

 

その時とのさまがへるのうちの方で火が燃え出しました。

「舶来ウェスキーが燃え出した。燃え出した。」とあまがへるは手をパチパチたたきました。

 

「藤根禁酒会に贈る」の中で賢治さんはお酒を呑む人のことを厳しく批判しています。

 酒を呑まなければ人中でものを云えへないやうな/そんな卑怯な人間などは/もう一ぴきも用はない 

 酒を呑まなければ相談がまとまらないやうな/そんな愚劣な相談ならば/もうはじめからしないほうがいゝ

 

ところが、最終稿ではこの部分は削除されているのです。

なぜでしょうか。

私はこう考えます。悪いものを徹底的に上からの力でないものにするというのは、反発が起こります。そこでいったんは収まったようにみえてもまたどこかで芽が吹きだすのです。お酒自体が悪いわけではないのです。お酒をどう飲むのかは人間にかかっているのです。「酒は百薬の長」というのもそのことで、神様にささげるものもお神酒ですから。この部分は「猫の事務所」の最後の部分、「僕は獅子に半分賛成です」に通じていて、賢治さんも経験や時間の流れの中でばっさり削除されたのだと思います。

後に賢治さんは集まりにお酒を持参した(自分は飲まなくても)という話も伺いしました。この話をきいて、お酒好きな私はちょっと安心したのでした。

 

| 風志野はるか | 10:29 | comments(0) | - | pookmark |
佐藤成先生がリラ研へ

  去る1月21日(平成24年)、『宮澤賢治外伝』の著者でCD「『イーハトーブ農学校の賢治先生』を語る」の編集者である宮沢賢治研究家の佐藤成先生が、リラ自然音楽研究所をお訪ね下さいました。佐藤先生は仙台在住ですが、ご所用で鎌倉へおいでの際、わざわざお訪ね下さったのです。短い時間でしたが、その間に次々と佐藤先生ならではの、宮沢賢治に関する貴重な話をお伺いしました。

 先程のトバスキー、ゲンゾスキーの鳥羽源蔵に関しては、佐藤先生のお母様が小学校で鳥羽源蔵先生に教わったそうです。鳥羽源蔵は岩手県師範学校(現岩手大教育学部)の先生をしながら、ずっと博物学の研究をしていたそうで、お母さんが鳥羽先生の自宅に行くと、蔵には一杯、標本が入っていたそうです。ところが悲しいことに、その鳥羽源蔵が研究した博物学の貴重な標本類は、陸前高田市に保管展示されていたのですが、あの3・11大震災の大津波で、すべて流れ失われてしまったとのことです。
 宮沢賢治自身も三陸の大津波、陸羽大地震の年(明治29年)に生まれ、三陸大地震津波の年(昭和8年)に亡くなったことは賢治の生涯と切り離せません。3・11の大災害、福島原発事故の大人災、今もつづく被災した方々の苦しみを想うとき、私たちはどうすればよいのか、答えは一つしかないように思います。──私達は本当に目覚めなければなりません。天地自然と調和した愛と奉仕の生き方へかっきりと方向転換しなければなりません。これ以外に、私たちに出来ることがあるでしょうか。

佐藤先生
(写真は佐藤先生と熊谷講師)



おまけの話

 W文庫の『イーハトーブ農学校の賢治先生』(原作 佐藤成 作画 魚戸おさむ)に、佐藤先生に記念のサインをしていただきました。ご覧下さい。それからこれは上記のマンガ本が発刊された時のはなしですが、案内チラシを200枚リラ研受付けロビーに置きましたが、あのチラシには、実はマンガ家の魚戸おさむ先生が直筆でサインして下さったものが20〜30枚所々に入っていました。ちょっと凄いでしょ?

佐藤先生サイン本


                 熊谷えり子(「宮沢賢治を読む会」講師)


※この記事は機関誌「リラ自然音楽」2012年3月号より転載しました。




◎佐藤 成(ひとし)著書案内

CD『「イーハトーブ農学校の賢治先生」を語る』  佐藤 成 編

『宮沢賢治 外伝』  佐藤 成 著

宮沢賢治外伝

※上記のCD・書籍は でくのぼう出版ホームページ で閲覧・購入できます。


| ポラーノ@管理人 | 09:35 | comments(4) | - | pookmark |
ゲンゾスキー、トバスキー 〜輪読講座 「宮沢賢治を読む会」より(2)〜

「四番書記、トバスキーとゲンゾスキーについて大略を述べよ。」
(……)かま猫は一生けん命帳面を読みあげました。
「トバスキー酋長、徳望あり。眼光炯々たるも物を言ふこと少しく遅し、ゲンゾスキー財産家、物を言ふこと少しく遅けれども眼光炯々たり。」
(「猫の事務所」より)

 トバスキーとゲンゾスキーは、「眼光炯々たる」、「物を言ふこと少しく遅し」と(言葉をひっくり返しただけで)その特徴は全く同じソックリさんです。何かおかしいですね。この「猫の事務所」(寓話)は賢治さん独特のユーモア溢れる面白い所が沢山あります。けれども「読む会」では、このお話のテーマ〈いじめ〉が、あまりにも私たち現代人の心の奥深く蝕み、社会全体が深くおかされているために、そこに話は集中していき、猫の名前については話の及ぶ時間がありませんでした。「名前」については、「よだかの星」をあげるまでもなく賢治は実に本質的であるし、また本当に名付け方がゆかいなのですが。
 実はこのトバスキー、ゲンゾスキーは鳥羽源蔵さんからネーミングしたのですね。鳥羽源蔵は盛岡の有名な博物学者で賢治もよく知っていました。だから賢治は「イギリス海岸」で発見し採取したあのバタグルミの化石を、この鳥羽源蔵さんに渡したのです。そうしたらその鳥羽さんから東北帝大の地質学古生物学教室の早坂一郎博士のもとへクルミの化石は研究資料として送られたのです。それでこのくるみの化石がまだ学会に発表されていない珍しいものであることがわかりました。そこで早坂博士はイギリス海岸(北上川)を宮沢賢治の案内で実地踏査し、くるみの化石を採集し、翌年『地学雑誌』に発表したのです。(『宮澤賢治外伝』(佐藤成著でくのぼう出版)には、この早坂博士が『銀河鉄道の夜』のプリオシン海岸で大学士として登場していると書いてあります)。

                     熊谷えり子(「宮沢賢治を読む会」講師)


この輪読会で読んだ賢治童話は「猫の事務所」です。
 ※機関誌「リラ自然音楽」2012年3月号より転載しました。


| ポラーノ@管理人 | 23:00 | comments(2) | - | pookmark |
ハグするクマさん 〜輪読講座「宮沢賢治を読む会」より(1)〜
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ハグするクマさん1


 このクマさん、「宮沢賢治を読む会」に参加したSさんが、持ってきて皆に見せて下さいました。Sさんは高校の先生ですが、このクマさんは教え子の生徒さんが宮沢賢治の童話を読んで作ったものだそうです。2人のクマさんは、いじめっ子といじめられっ子なのですが、冬眠から覚める(生まれ変わること)と、こうやってハグしたのです。一人のクマさんは赤い花をあげようと持っています。いいですね、このクマさんみたいに、私たちも皆冬眠からさめて、新しく生まれ変わりたい。戦争している国同士も、傷つけ合ってる敵同士もハグしたい、出来たらいいなあ。「ハグするクマさん」を「読む会」で皆、手にとって見せていただき、とても感動しました。そうしたらSさんがリラ研にしばらくどうぞ飾って下さいと言われて、1か月間3階の「W文庫」コーナーに置かせていただいています。


Sさんの話

 「学校ではやはり、いじめがあるんです。その時この「猫の事務所」を皆で読んだのです。そうしたら子どもたちはすごいんです、読むだけでいじめは無くなったんです。私からは何一つお説教も解説もしません、ただ宮沢賢治の童話を読むだけで、子どもたちは変わるんです」。だからSさんは色々な折に生徒さんと、賢治の童話を読んでいるそうです。後でこの話を青木さん(リラ自然音楽講師)にしたら、即一言「先生が良いからね」(だから生徒が変わるのだという意)と言いました。たしかに、そうだと思いました。子どもたちは純粋なきれいな魂をもっている、けれども子どもたちが魂を光らせるには、賢治の童話と、良い大人とどちらも必要なのだと思いました。


                     熊谷えり子(「宮沢賢治を読む会」講師)


ハグするクマさん2

ハグするクマさん3


※機関誌「リラ自然音楽」2012年3月号より転載しました。
 この輪読会で読んだ賢治童話は「猫の事務所」です。下記ブログ記事も参考にどうぞ。

 宮沢賢治読む会 〜「猫の事務所」に参加して〜
| ポラーノ@管理人 | 21:39 | comments(4) | - | pookmark |
宮沢賢治読む会 〜「猫の事務所」に参加して〜
 

先日、自然音楽研究所の講座の一つ、宮沢賢治読む会に参加した。

今回の作品は、「猫の事務所」。賢治さんが生前発表した童話の一つ。
講座は、まず作品を参加者で輪読することから始まる。ただし読みたくない人は読まなくてもよい。不思議なことだが、一度読んだことのある作品でも、みんなで読むと自分だけで読んでいたものとは違う発見をすることが多々ある。



かま猫1



熊谷先生の最初の言葉。

「読んで感じたことはないですか?」

最初に読んだ印象をとても大事にされているなと感じる。

これが、作品に入り込むとても大事な要素のようだ。

 

私は、猫たちのよくない心が事務長猫をあっという間に巻き込んでかま猫を泣かせてしまう事態にまで発展してしまったというのが、「心」が悪い形をとったらこんな風に黒くなかったものも黒く巻き込んでしまう過程をありありと見たようで恐ろしかった。自分もまたこういう悪い心の使い方をしていたのではないか、またぼやっとした考えで黒いものに巻き込まれているのではと思うと身が縮んだ。また獅子の出現で心の使いようで世の中のシステムさえも一瞬で変わってしまうのだと思った。現実の世界に置き換えても、心の使い方を改めないともうそんなに時間はないという気持ちになった。

 

さまざまな感想のあと、熊谷先生が参加者とのやりとりの中で、「かま猫は悪想念をだしていない。泣くしかなかった。そしてかま猫だけが天地を貫いてまっすぐに立つことができた」とおっしゃられているのをきいて、かま猫は正真正銘のでくのぼうとして描かれていると思った。



かま猫2


講座が終わってからも、なにか重い課題を与えられたように感じた。
賢治さんが真正面から「いじめはダメだ」といっている気がした。

なぜかというと最近の「いじめられる側にも問題がある」というような変な風潮を居心地悪く感じていたからだ。数年前、いじめによる自殺で死んだ子供が通っていた学校の校長先生が「いじめらる側にも問題がある」と記者会見で言っていた。本当に驚いた。かけがえのない命をかけてその子供が伝えたかったことはなんだったんだろう。死んだのが自分のこどもでもそう思ったんだろうかと。大人がこの変な考えではいじめはなくならないだろう。いじめを喧嘩両成敗のように考えられたのではたまらない。いじめは圧倒的に有利なものが弱いものをいじめるのだ。

いじめられて逃げて泣き寝入りしたら怨念のはじまり、やり返したら、もう戦争だ。戦争のはじまりだ。うまく立ち回るしたたかさはかま猫にはない。(もしそんなものがあったら悪想念がばんばん出てそう・・・)だからかま猫はあの場で泣いたのかもしれない。愚直なかま猫は、泣くしかできなかったのかもしれない。そして獅子が入ってきて、ほかの猫はうろうろするなかで、かま猫だけが泣くのをやめてまっすぐに立った。なにか素直に最後の審判を受け入れている人のように。

それにしても、あれからずっと「猫の事務所」のことを考えている・・・。




かま猫3

写真◎yoshinori kumagai






| 風志野はるか | 16:51 | comments(4) | - | pookmark |
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