吉永小百合さんの賢治
2016.06.06 Monday | category:投稿(05/05/01〜)
少し前になりますが、今年1月、長崎に行って数年ぶりに友人と会い、長崎を案内してもらいながら、原爆資料館をみたり、永井隆記念館を訪ねたりしてきました。また、世界遺産に名乗りをあげている大浦天主堂やコルベ神父の記念館を見ながら、キリスト教と原爆が落とされた地・長崎についていろいろ考えさせられました。
長崎のもうひとつの目当ては、山田洋次監督の長崎の原爆をテーマにした映画「母と暮らせば」公開記念で開かれた吉永小百合さんの朗読会でした。「母と暮らせば」は、山田洋次監督が、戦争を知らない世代に、何とかして戦争を伝えたい、との思いで作られた映画で、監督自身も一番熱が入った作品と語っておられました。そして、その主役の母親役には、「原爆詩の朗読をやってこられた吉永さん以外には考えられない」と監督から熱望された吉永さんが出演されていたのです。
このようなきっかけで、毎週日曜日の夜10時30分から、TBSラジオ「今晩は、吉永小百合です」という番組を聞いています。毎回、いろんなテーマでのトークと音楽が流れています。
4月のある日の放送が、「宮澤賢治特集」でした。賢治の生い立ちなどが吉永さんのトークで紹介されなかなか新鮮でした。
「賢治は、自分で作曲もしていました」といった内容のトークのあとで曲が紹介されました。
それが、青木由有子さんの「星めぐりの歌」でした。吉永さんから紹介され、何とも不思議な、うれしい気持ちになりました。
ラジオから流れる由有子さんの歌を不思議な気持ちで聞いていました。
そして、番組の終わりの方では、吉永さんが賢治の詩を朗読してくれました。
それが、「種山ケ原」と「政治家」でした。
朗読会の舞台で拝見した吉永さんは、背筋がスッと伸びた凛とした姿で颯爽としていました。スクリーンから受ける、穏やかな、おしとやかなイメージとは違って機敏な動きで足運びが早く、30代くらいのキャリアウーマン風(?)か活動家のような雰囲気もありました。
吉永さんは、原爆詩の朗読を、ボランティアで30年も続けて来られてきて、広島や長崎の被爆者の詩や沖縄戦をテーマにした作品などの朗読CDを出されています。
3.11以降は、福島の原発事故の被災者の詩の朗読もされているようです。エッセイからは、被爆者に寄り添う気持ちがひしひしと伝わってきます。
以前、テレビでも、原発反対、核廃絶のために原爆を落とされた日本が世界をリードすべき、とはっきりと自らの主張を語られていました。
長崎の舞台では、長崎の被爆者の詩などを数篇朗読されました。
そういった姿勢が、ラジオの朗読で「政治家」を選んだのでしょうか。
政治家 宮澤賢治
あっちもこっちも
ひとさわぎおこして
いっぱい呑みたいやつらばかりだ
羊歯の葉と雲
世界はそんなにつめたく暗い
けれどもまもなく
そういうやつらは
ひとりで腐って
ひとりで雨に流される
あとはしんとした青い羊歯ばかり
そしてそれが人間の石炭紀であったと
どこかの透明な地質学者が記録するであろう
この詩は、賢治らしくない(?)毒気が思わずにじみでているような感じ、
いや、賢治の孤高の精神の気高さ、でしょうか?
いや、自分のまわりにも、こういう人って、いっぱいいる、という共感も・・・
とにかく好きな詩です。
今年は、宮澤賢治の生誕120年ということで、NHK「カルチャーラジオ」で取り上げられたり、雑誌の特集が組まれたりしています。
いろんな人が賢治を取り上げ、声で聴いたり、目で見たり、文字で読んだり、といろんな人がいろんな角度で賢治を教えてくれ、そのたびに新たな発見をさせてもらっているところ、いやいや、まだまだ知らないことばかり、奥が深いです、賢治さん。
それにしても、吉永さんの賢治朗読は新鮮でした。
そして、何よりも、被爆者や被災者に「寄り添って」いくという吉永さんの姿勢に学びたいと思います。
長崎のもうひとつの目当ては、山田洋次監督の長崎の原爆をテーマにした映画「母と暮らせば」公開記念で開かれた吉永小百合さんの朗読会でした。「母と暮らせば」は、山田洋次監督が、戦争を知らない世代に、何とかして戦争を伝えたい、との思いで作られた映画で、監督自身も一番熱が入った作品と語っておられました。そして、その主役の母親役には、「原爆詩の朗読をやってこられた吉永さん以外には考えられない」と監督から熱望された吉永さんが出演されていたのです。
このようなきっかけで、毎週日曜日の夜10時30分から、TBSラジオ「今晩は、吉永小百合です」という番組を聞いています。毎回、いろんなテーマでのトークと音楽が流れています。
4月のある日の放送が、「宮澤賢治特集」でした。賢治の生い立ちなどが吉永さんのトークで紹介されなかなか新鮮でした。
「賢治は、自分で作曲もしていました」といった内容のトークのあとで曲が紹介されました。
それが、青木由有子さんの「星めぐりの歌」でした。吉永さんから紹介され、何とも不思議な、うれしい気持ちになりました。
ラジオから流れる由有子さんの歌を不思議な気持ちで聞いていました。
そして、番組の終わりの方では、吉永さんが賢治の詩を朗読してくれました。
それが、「種山ケ原」と「政治家」でした。
朗読会の舞台で拝見した吉永さんは、背筋がスッと伸びた凛とした姿で颯爽としていました。スクリーンから受ける、穏やかな、おしとやかなイメージとは違って機敏な動きで足運びが早く、30代くらいのキャリアウーマン風(?)か活動家のような雰囲気もありました。
吉永さんは、原爆詩の朗読を、ボランティアで30年も続けて来られてきて、広島や長崎の被爆者の詩や沖縄戦をテーマにした作品などの朗読CDを出されています。
3.11以降は、福島の原発事故の被災者の詩の朗読もされているようです。エッセイからは、被爆者に寄り添う気持ちがひしひしと伝わってきます。
以前、テレビでも、原発反対、核廃絶のために原爆を落とされた日本が世界をリードすべき、とはっきりと自らの主張を語られていました。
長崎の舞台では、長崎の被爆者の詩などを数篇朗読されました。
そういった姿勢が、ラジオの朗読で「政治家」を選んだのでしょうか。
政治家 宮澤賢治
あっちもこっちも
ひとさわぎおこして
いっぱい呑みたいやつらばかりだ
羊歯の葉と雲
世界はそんなにつめたく暗い
けれどもまもなく
そういうやつらは
ひとりで腐って
ひとりで雨に流される
あとはしんとした青い羊歯ばかり
そしてそれが人間の石炭紀であったと
どこかの透明な地質学者が記録するであろう
この詩は、賢治らしくない(?)毒気が思わずにじみでているような感じ、
いや、賢治の孤高の精神の気高さ、でしょうか?
いや、自分のまわりにも、こういう人って、いっぱいいる、という共感も・・・
とにかく好きな詩です。
今年は、宮澤賢治の生誕120年ということで、NHK「カルチャーラジオ」で取り上げられたり、雑誌の特集が組まれたりしています。
いろんな人が賢治を取り上げ、声で聴いたり、目で見たり、文字で読んだり、といろんな人がいろんな角度で賢治を教えてくれ、そのたびに新たな発見をさせてもらっているところ、いやいや、まだまだ知らないことばかり、奥が深いです、賢治さん。
それにしても、吉永さんの賢治朗読は新鮮でした。
そして、何よりも、被爆者や被災者に「寄り添って」いくという吉永さんの姿勢に学びたいと思います。
⇒ 草薙 (12/05)
⇒ ten (01/04)
⇒ 草薙 (03/24)
⇒ 草薙 (01/27)
⇒ 草薙 (11/02)
⇒ ten (09/18)
⇒ ten (09/18)
⇒ ten (09/18)
⇒ 月野原さやか (09/14)
⇒ 月野原さやか (02/14)