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科学が信仰に追いつく日(7)

JUGEMテーマ:人生論

 

 

今、毎年恒例の賢治祭の準備をしています。今年は、賢治が生まれて120年です。

120年というと、とても昔のことのような、最近の話のような、複雑な心境がわきます。

それと共に、人のこの世の人生は短いものだな、だったら、先の先(死んだ後)まで見て、今やるべきことを見定め、流されず一生懸命生きていかないとと、近頃特に思ったりします。

 

賢治のメモ(口語詩裏)に、

 

一、異空間の実在 天と餓鬼、

   幻想及夢と実在、

二、菩薩仏並に諸他八界依正の実在

   内省及実行による証明

三、心的因果法則の実在

   唯有因縁

四、新信行の確立、

 

というのがあります。賢治は、信仰と科学が一致する地点である「法」を、誰もがわかる作品の形で、伝えようとしたのでしょう。

 

メモにもあるように、賢治の童話には、明確な「因果律」が描かれます。

自分が行ったことは、寸分狂いなく自分に返ってくるというのは、恐ろしいことです。今生で返らない場合は、来世で返ってくるというのもまた、恐ろしく真剣な現実です。今を生きるということは、そこまで重く、真剣なものなんだと思います。

 

 

宮沢賢治は自分の詩を「心象スケッチ」と呼んでいましたが、「心象」という言葉は、ウイリアム・ジェームスの『根本経験論』、オリバー・ロッジ『心霊生活』、平田元吉『心霊の秘密』、渋江保『心象 及び其の実験』等に出てくることを、大塚常樹氏が調査されていますが、これらの本は、いわゆる1848年にアメリカで発生したスピリチュアリズム、近代心霊研究の実験についての本なので、賢治もそれを知った上で、自身の実験の成果として、作品を残しておいてくれたことと思います。

 

桑原啓善先生は、賢治の親友だった森荘己池先生から、宮沢賢治には「迷った魂のようなものが、よく見えていたようだ」と聞いたそうですが、その賢治が、心配で心配で仕方なくてその魂の行方を見失ったのが、若くして亡くなった妹トシさんです。

 

「 とし子、ほんたうに私の考へてゐる通り

 おまへがいま自分のことを苦にしないで行けるやうな

 そんなしあはせがなくて

 従って私たちの行かうとするみちが

 ほんたうのものでないならば

 あらんかぎり大きな勇気を出し

 私の見えないちがった空間で

 おまへを包むさまざまな障害を

 衝きやぶって来て私に知らせてくれ。

 われわれが信じわれわれの行かうとするみちが

 もしまちがひであったなら

 究竟の幸福にいたらないなら

 いままっすぐにやって来て

 私にそれを知らせて呉れ。

 みんなのほんたうの幸福を求めてなら

 私たちはこのまゝこのまっくらな

 海に封ぜられても悔いてはいけない。

  (おまへがこゝへ来ないのは

   タンタジールの扉のためか、

   それは私とおまへを嘲笑するだらう。)

 

  (「宗谷挽歌」より、太字は草薙 )

 

 「タンタジールの扉」とは、『青い鳥』の著者メーテルリンク(ノーベル文学賞受賞者)の劇「タンタジールの死」にでてくるこの世とあの世の境に置かれた扉です。賢治が明らかに、「みんなの本当の幸い」のために、亡きトシさんと通信をしようとしていたのを痛いほど感じます。

 

 蓄音機と電球を発明した発明王、エジソンも親子三代にわたるスピリチュアリストでした。助手のミラー・ハッチンソン博士は「エジソンと私は、心霊の分野を研究することによって、人間の一生を考える上で大変重要な事実が明らかになっていくだろうと確信していた」といっています。史上初めて動く物体の遠隔放送を成功させ(テレビ開発の先駆者)、光ファイバー等を開発したジョン・ロジー・ベアードも、そうだったようです。

 

 私たちも、みんなの本当の幸いを求めるのなら、賢治いうように、みんなのほんたうの幸福を求めてなら 私たちはこのまゝこのまっくらな 海に封ぜられても悔いてはいけない。」、その気持ちのところに立って、どこまでも真実を求めて生きていかなければいけないと思います。

 

 

 参考文献 『宮沢賢治の霊の世界』桑原啓善、でくのぼう出版

 

(つづく)

 

 

 

| 草薙建 | 15:41 | comments(0) | - | pookmark |
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