JUGEMテーマ:デクノボー宮沢賢治について
〈読後感〉
続、続、我がつれ・づれ考(賢治の教師愛)
「『福田パン』と『マント』のこと」佐藤成
(『サムライ・平和10号』所収)
あの盛岡のソウルフードと呼ばれる「福田パン」(コッペパン)の創業者、福田留吉さんが、あの宮沢賢治の最初の教え子で、賢治の教師時代を調べるうちに何度もお名前を目にしていた及川(旧姓)留吉さんだったことにも驚きました。その福田留吉さんや、「賢治先生の家」に保存されている「賢治のマント」を賢治にもらった簡悟さんから直接佐藤先生が聞いた裏話。(おそらく、どの賢治研究書にもない貴重な話)に、とても心打たれました。
ただ、ただ、心がジーンとゆっくり温まってくる感じで、宮沢賢治のいう「でくのぼう」、そういうものに私もなれたらと、心が生き返る思いがしました。
宮沢賢治は、本当に優しい人だったんだなあと、つくづく思います。
宮沢賢治の魅力は、哲学者・科学者などなど、様々な分野の最先端を行く専門家をもうならせ、惹きつける作品(童話・心象スケッチ等)の霊性の深さにあります。
しかし、それに留まらず、実際に賢治と触れ合った人たちが残した証言からこぼれる、賢治の人柄にもまた、感動を覚えます。
それは、賢治が偽りなく真実に生きた証です。
佐藤成先生の記事を読ませていただき、佐藤先生が直接ご本人から聞いた話の調子から、賢治が生徒一人一人のことを、本当にその将来までも考えて、接していたことを知りました。その人の特性、能力、家庭環境迄も知り、相手方の状況を調査した上で、自分の時間を使い、私費を費やして努力して就職先を世話していたにも関わらず、「その片鱗もお顔に表しませんでした」とのこと。
福田さんの赴任(高等農林学校の助手)に際しては、そのあとも困らないように丁寧に教示をし、心から喜んでくれたそうです。
賢治は、どんな小さな魂でも決して侮辱したり軽蔑したりしなかったそうで、福田さんは子供心にその仕事場の風景を写真で送ったところ、その返信が、あの有名な「ジャンパーを着て足を組み、手を組み合わせて握っている賢治の写真」だったそうです。教科書によく出てくるその写真一枚にも、賢治のそんな優しさが込められていたことなど、知る由もありませんでした。
また、「賢治先生の家」として、羅須地人協会の建物が保存されている中にある展示物として佐藤先生が「賢治のマント」を収めたときに聞いた、エピソードにもただただ、感動しました。簡さんを連れ出し、黙って一緒に歩いた後に、マントをかけて、そのフード付きのマントをあげた賢治の気持ち、そしてそれを、大事に大事にしまっておいた簡さんの気持ちが痛いほど伝わってきます。
言葉のはしばしからこぼれる思い出の景色に、たくさんの感動が詰まっています。
ぜひ皆さんも一読下さい。
〈ご参考までに、私が勝手に見つけたブログ記事↓〉
魅惑的な福田パンの記事
https://travel-noted.jp/posts/718
「賢治先生の家」探訪の素敵な美しい写真ブログより
「賢治のマント」
http://sendaina.exblog.jp/17617342/
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