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映画情報 「愁いの王―宮澤賢治―」 

タイトル
「愁いの王―宮澤賢治―」  (3時間18分) 
  第一部 業の花びら (約85分)
  第二部 装景者 (約113分)
 
  監督 吉田重滿 (グリザイユ)
 
 当映画のサイト
  http://grisaille-c.com/

 

  愁いの王 ー宮沢賢治ー

 

 

 

 昨年(2017年)12月、グリザイユの吉田重滿様より未公開の映画作品「愁いの王・宮澤賢治−第一部『業の花びら』」のDVDが送られてきて、吉田監督のご好意でDVDを鑑賞させていただきました。早速12月23日、第一部をでくのぼう宮沢賢治の会のメンバーで鑑賞しました。また第二部も今年3月25日同じように吉田監督のご好意により、でくのぼう会のメンバーで鑑賞させていただきました。


 2月山波財団では「サムライ平和」11号が発売され、賢治先生と愛弟子菊池信一さんの「特別企画 花巻・石鳥谷紀行」もあり送らせていただきましたが、『愁いの王―宮澤賢治― 第二部 装景者』にはちょうど菊池信一さんのシーンがあり、共時性を感じました。そのメンバーたちの感想もメールで送らせていただきました。
 その後、吉田さんより私たちが映画についてブログで語ることに快諾をいただきましたので、その内容をご紹介致します。

 

 

「愁いの王・宮澤賢治− 第一部『業の花びら』」 感想 (2017年12月23日)

 


(会員 かりんさん)

こんにちは
でくのぼう宮沢賢治の会のかりんです。
先日は御作品「愁いの王・宮澤賢治−第一部『業の花びら』」をお送り下さいまして誠に有難うございました。
12月23日私共の定例会があり、急遽そこで皆で観せていただきました。
上映するだけでほとんど時間がなく、皆の感想を聞けず、お伝えできず申し訳ありません。
私の感想をひとこと書かせていただいます。
 
すばらしい作品でした。
観た直後より時間が経って、どんどん印象が強くなるような不思議な体験をしました。
最初は一般受けはしないだろう等、表面的な感じ方でしたが、
しばらく経つと私の中で、言葉にならないところで作品が強く深く生き(息)づいていることが分かりました。
映像がとても重厚で深みがありよかったです。
まるで思想(いのち)を含んでいるような重厚さです。
映像とことば(方言)のひびきと音楽とが一体感がありました。
字幕がずっとあり安心して作品にひたれました。
 
妹トシが重要なテーマでしたが、それがよかったです。
宮沢賢治をよく読み研究されて、正確に丁寧に作品化なさっているのがよく分かりました。
御作品はたしかに難しいところがあり、おっしゃるように一般受けはしないかもしれませんが、
とても力のある良い作品ですから、必ずわかる人にはわかると思います。
賢治先生もきっと喜んでおられるはずです。
公開にさきがけて観せていただきまことに有難うございました。
多くの方に観ていただけることを、祈念いたしております。
 

 

(会員 草薙さん)
風景風景の一瞬一瞬が、切り取られた大切な思い出を写した古い写真のような、魂の記憶に触れそうな、映像美。
それが、映像として万化しながら流れているという贅沢な映画でした。
法華経に関する若き日の賢治の思想やその激しさは、あまりクローズアップされることがないですが、
確かにそうだった(書簡など)と、吉田監督独特の深み、作品の魅力ではないかと印象に残りました。

 

 

 


「愁いの王・宮澤賢治− 第二部 『装景者』」 感想 (2018年3月25日)

 

(会員 橘香さん)
前編よりも後編の方がずっと良くなっていました。前より締まりが出た感じです。
全体を通して、方言がとても味わい深かったです。
合わせて、全編字幕をつけてあったので安心して観られました。
賢治のいう「心象」を意識した映像づくりだったのでしょうか。
花びらが降ってくる映像も印象的でした。
内容として一番印象的だったのは、賢治と政次郎とのやり取りです。 後編では特に、政次郎の賢治に対する愛情が感じられて涙腺緩みました。 一般的にはどうしても親子の宗教対立が目立って語られますが、父政次郎の我が子賢治への愛と理解は、やはり確実にあったなあと改めて感じます。
賢治が教え子の菊地さんを見送る場面も素朴に良かったです。
父と母に対してそれぞれ違う言葉で語った賢治の童話への思いを、賢治臨終の場面で対比させたことで、賢治作品の姿がより明確に浮かび上がりました。 また、普通なら賢治が死を迎えたら周囲の人のその後くらいで話が終わりそうなところを、伊藤チヱさんと森佐一さんのやり取りを入れ込んだのは新鮮でしたし、より賢治の実像を伝える要素となっていました。
ところで、「エス」が2回出てきましたが、あの演出にはどのような意味を込められたのでしょうか?
賢治の作品・伝記を少しかじる者として、おぼろげな推測をしてみるのですが、不思議さは残ります。
賢治のことを全く知らない人や、賢治とキリスト教の関わりについて知らない人が観たら、どのように受け取るのだろうと個人的には気になりました。
味のある映画でした。
先立って拝見させていただき、ありがとうございました。

 

 

(会員 tenさん)

愁いの王の第二部を拝見する機会をいただき、ありがとうございました。
DVDプレイヤーをプロジェクターにつなげて大きく投影し、
音声も、アンプを経由して教室の天井にあるスピーカーから大きく出して拝見しました。(前半の時も同様でした)
 
よりシャープな編集に引き込まれ、2時間があっという間に過ぎました。
全編を通して、美しい映像や光が印象に残りましたが、
特に冒頭の森さんを初めて訪ねるシーンや、
お経を配る手配をしている時の政次郎さんのセリフに感動しました。
会話のギミックも、自然な印象でした。
花巻弁がとても素晴らしかったですし、標準語字幕も安心できました。
残された史実やエピソードに寄り添ったかたちで映像化されていて
賢治に詳しい方々にはたまらない内容だったと思います。
岩手の自然の風景もさることながら、
歴史的な建築物や、古い建物でのロケセットもすばらしかったです。
第一部の時もそうだったのですが、拝見してからしばらく、
日常の中で、映像の印象がたびたび蘇ってきました。
配給先が見つかり、もっとたくさんの方々がこの作品を観ることが出来るよう
心より願っています。
いち早く拝見させていただきまして、本当にありがとうございました。

 


(会員 ヒームカさん)

  2部も自然の風景がとても美しかったです。賢治さんを演じられている方が、賢治さんそのもののように思えてきましたし、演じられている方々の自然な動作が内容によく合っていると思いました。1場面1場面深くとても感動しました。長い年月をかけて制作された貴重な映画を観せて頂きありがとうございました。

 

 

(会員 ポラーノさん)

第一部「業の花びら」に続き、第二部「装景者」を鑑賞させていただきありがとうございました。
宮沢賢治の人生を、飾ることなく丁寧に誠実に描かれていて、最後まで引きこまれながら観ました。
モノトーンの映画ですが、岩手県の美しい自然、風景がとても美しく、心の内に色彩が浮き出されてくるように感じられました。演技を感じさせない静かな動きとテロップで映し出されるセリフが印象的で、自然と映画のリズムにのせられているようでした。また方言がやさしくリアリティを感じました。約2時間の上映時間を長く感じることもなく、映画の世界に入っていきました。
宮沢賢治臨終の場面、大島での伊藤ちえさんの場面、などでは涙が流れてきました。
芸術的で貴重な映像を創っていただき本当にありがとうございます。心ある多くの一般の方々、宮沢賢治研究者、愛好者等々に鑑賞していただくことを心より願っています。

 

*****感想はここまで*****

 

 

 

吉田さんより届いたあたたかい御礼のお便りの中に、第二部の橘香さんの感想についての返信がありましたので一部を掲載します。

 

  ****

 

P.S 書棚にあった田口昭典氏の『宮沢賢治と法華経について』の本の表紙に書かれている

 

 根本中堂 ねがはくは 妙法如来 正遍知 大師のみ旨 成らしめたまへ

                      宮沢賢治

 

を見ていました。よく見ると貴社の出版・発行でした。この本はシナリオを書く際、参考にした本です。
橘香さんのご感想文の中で、「エス」の事が書かれていました。あの人物は実在 の人物で、 流浪の楽人「菊池タケシゲ」ですが、賢治は彼を気に入って羅須地人協会に一週間ほ ど泊めたそうです。 実際はあのような恰好はしていたかわかりませんが、あのシーンで使ったバッハの曲 『来れ、甘き死よ』と 賢治の詩とイエス・キリスト的なイメージが一体と成って描きましたが、説明し出す と長々とかかるかもしれません(笑)

 

  ****

 

(おわり)

| ポラーノ@管理人 | 09:09 | comments(0) | - | pookmark |
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