節分も過ぎ、もう立春。風の香りもほんのりと南の風を感じる頃、谷戸の椿もほころびだします。
椿といえば伊豆大島の椿は有名ですが、賢治さんもこの地を訪ねてたくさんの椿を目にしたことでしょう。
賢治さんにとって大島で出会った伊藤チエさんとの秘めたる想いは伺い知ることはできませんが、火の島の歌のように秘める情熱を感じます。
〜海鳴りよせ来る椿のはやしに
ひねもす百合堀り
今日もはてぬ
(「火の島の歌」より)
JUGEMテーマ:デクノボー宮沢賢治について
少し前、友人が開発の危機に迫っている近くの森の存在を教えてくれた。その森に行くとすぐに大好きになり、今では私のとても大事なところになってしまった。教えてくれたOさん、本当にありがとう。そして今までこんなにも近くに存在する自然の危機に気が付くことができなくて本当にごめんなさい。必ず私たちが共に生きられる道をつくっていきますから。
賢治さんの「狼森と笊森、盗森」には
「こゝへ畑起してもいゝかあ。」
「いゝぞお。」森が一斉にこたへました。
みんなは又叫びました。
「こゝに家建ててもいゝかあ。」
「ようし。」森は一ぺんにこたへました。
みんなはまた声をそろへてたづねました。
「こゝで火たいてもいいかあ。」
「いゝぞお。」森は一ぺんにこたへました。
みんなはまた叫びました。
「すこし木貰つてもいゝかあ。」
「ようし。」森は一斉にこたへました。
という人と森のやりとりがある。
こんな風に人と自然が語り合えたらいいなぁ。
賢治さんの作品を読むと、木々や草花たち、雲や月などの万物が本当に生々しく息をしていて、私も嬉しくなり少しずつ元気になってくる。
そして山波先生から教わった「声かけ=万物との会話」を草木や動物たち、そしていろいろなものに話しかけてみると、その存在がぐっと近くなったような感じがする。その「声かけ」をしているうちに感じたことは、自然と共に生きることを遮断し遠ざかっているのは人である私の方なのだと。
それならば、私たちが近づいた分だけ人は自然に近づくことができるかもしれない。人間が変わった分だけ、世界も変わる。もし人が自然と共に生きることを選べば…。
いろんなことが起きて大変な時代だけれども、今までになかった明るい時代をみんなと一緒に迎えたいと切に思う。
山内に樹齢百五十年以上?と思われる山桜の木が尾根沿いにひっそりと周囲の樹木に溶け込むように佇んでいます。最初に出合った時からその姿にひとめぼれ・・。
その傍には祠?と思われる石塚が肩を寄り添うように立っており、側面には嘉永云々と刻印。それ以来この山桜はご神木だ! と勝手に思いこみ老木で弱っており、特に大切に養生するように努めています。
土地の人によると昔はこの尾根道を通っていたそうで、嘉永の時代はこの道がメイン通りだったかも・・。その時代に植えたかは定かではありませんが、〜自然と共に暮らし、自然と共に生きた〜時代の素朴で、霊性豊かだった人々の願いがこの祠にも籠もっているような気がしてなりません。
山波先生がおっしゃっていた「自然と共に暮らしなさい 自然を愛しなさい 自然から教えて貰いなさい」を感性と霊性豊かだったみんなが、今こそ思い出す時がきたと感じる今日この頃です。 (デメ)
JUGEMテーマ:こころ
間伐のためか竹林に春の陽光が地表に届くようになり、竹の子も
スクスクと成長。谷戸からの風が竹林にさわやかに吹き渡り、
すがすがしい気持ちになります。虔十さんもニコニコ笑っているようです。
広場の林檎の木も順調に成長中ですが、今年も白い花は咲かず来年のお楽しみに・・・。
永久の未完成 これ完成なり (賢治)
広場の林檎の木
JUGEMテーマ:デクノボー宮沢賢治について
仕事の合間や作業日などにこつこつ竹の間伐整備をはじめて今年で五年目。当初は人の侵入を拒むほど荒れ、鬱蒼としていた竹林も木漏れ日がさすような柔らかい空間になりつつあります。
公園入口
竹林を流れる水で大賀蓮も毎年可憐な華を咲かせてくれていますが、今年は水漏れ等の問題で蓮田はいったいどうなるか…?
蓮の生命力がかすかな希望です。
そして、あと何年かかるかわかりませんが、子ども達が竹林や広場を駆け回る姿を想像し、虔十と一緒に笑いながら愉しく作業をしたいと思っている今日この頃です。
後方には山桜のご神木がかすかに… 2016/1/16
さて虔十はその秋チブスにかかって死にました。平ニも丁度その十日ばかり前にやっぱりその病気で死んでゐました。
ところがそんなことには一向構わずに林にはやはり毎日毎日子供らが集まりました。
【虔十公園林より】
今年もイチョウの旅立ちの季節がやってきた。
空の青さとイチョウの黄色が目に映える。
初冬、風にのって征く日はいつだろうか……
〜ことしは千人の黄金色(きんいろ)の子どもが生まれたのです。そしてきょうこそ子どもらがみんないっしょに旅にたつのです。おかあさんはそれをあんまり悲しんでおうぎ形の黄金(きん)の髪の毛をきのうまでにみんな落としてしまいました。
【いちょうの実より】
今年もダルマストーブが水田広場の周囲を暖めてくれてます。
燃料は間伐の竹なので暖炉の火は心までほっこりとなります。
近年にない大雪で「水仙月の四月」の世界に少し触れさせてもらいました。
〜お日さまは、空のずうつと遠くのすきとほつたつめたいとこで、まばゆい白い火を、
どしどしお炊きなさいます。
【水仙月の四月より】
☆写真(雪景色)追加しました!
去年は2株だけの開花だった大賀ハスが、今年は水田いっぱいに咲いてくれました。
花を落とした蜂の巣状の花托(かたく)のなかには次世代のいのちの子供たちがお日さまにむかってニコニコしています。
やがて茎が枯れ、循環の風にのっていのちの種を水底に落とす日が近くなると、「いちょうの実」を思い出します。
突然光の束が黄金(きん)の矢のように一度に飛んで来ました。子供らはまるで飛び上がる位輝きました。北から氷のように冷たい透きとおった風がゴ−ッて吹いて来ました。「さよなら、おっかさん」「さよなら、おっかさん。」子供らはみんな一度に雨のように枝から飛び下りました。
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